看板に偽り○○？

ドラゴン・キングダムを観て来ました。

ジャッキー・チェンとリー・リンチェイが夢の競演ということで、そりゃもう気合い十分ですよ(わたしが)。
リー・リンチェイは現在ジェット・リーとクレジットされていますが、何を隠そうわたしは長い間

「ジェット・リーって誰」

と思っていた訳です。

で、ジェット・リー＝リー・リンチェイだと知ったのが結構最近っていうね。
あっはっは。

｢少林寺｣ アルティメット・エディション [DVD]

これの主演の人です。
中国武術大会で5年だか6年だか連続優勝してた本物の人です。

以下ほぼネタバレ注意。

ストーリーはwikiなんかに書いてあるので割愛しますが、大胆に端折り過ぎてよくわからん箇所も幾つかあります。
そして解らないままで終了…。最近こういう手法が流行ってんのか。

現代アメリカ人の高校生が、如意棒を持って古代中国的異世界へタイムスリップ。
出会った酔拳マスターのジャッキー、いつの間にか一行に加わっていたスパロー、如意棒を奪った上でジャッキーと争うリー・リンチェイ。
以上のカルテットが五行山を目指す話なんですが、衣服的なものを見ても『ちょっとずれた西遊記』みたいな感じよ。だって四人だしさ。

高校生・ジェイソンが悟空、ジャッキーが猪八戒(ユニークなので)、リンチェイが三蔵(白い服がそれっぽい)、スパローが沙悟浄(何となく)。
玉龍は居ませんけど。藤村俊二の代わりは居ないということなのか(違うし)。

……まあ、悟空は冒頭と最後にキッチリ出て来るんですけどね。ええ。
悪役のジェイド将軍は、マトリックスに出て来るセラフだった模様です。
ええええええセラフだったのおおおおおおお！
たった今ビックリです(サイト見て知った。ジャッキー以外の俳優さんは見分けがつきづらいというか)。
セラフは好きだったよ。あのストイックさが素敵です。以下セラフと呼ぶ。

孫悟空はやけに年老いてると思ったら、リンチェイの二役だった。
その姿がやや藤井隆に似ている気がしました。怪奇、デジャヴュ。

リー・リンチェイの少林拳は流石の強さでした。
型もすごく綺麗で、っていうか綺麗過ぎて地味に見えるくらい綺麗でした。流石正統派。
途中で蟷螂拳使ってましたが、むしろ違和感あったし。
ああいうトリッキーなのはジャッキーとかにやって欲しいよねー。

しかしアクション満載で本当に良かったです。
あれでワイヤーとかあんま使わなきゃなあ…。近頃ワイヤーアクションやりすぎだと思うんですよ。
生身の格闘のがやっぱり迫力ありますわな。

ラストが読める辺りが、王道なんでしょうか。
「アレはどうなったんじゃい」と言いたい処も多数ありますが、ジャッキーのアクションが多彩で嬉しかったのでOK。
ジャッキーいい味出してました。美味しすぎる。

全員が馬で逃走する際、敵に後ろから放たれた矢を背中に受けて失速。
皆が振り返ると笑って、「喉が渇いた…」と言うと、落馬してしまいます。
危うしジャッキー、死なないでー！
寺院で保護して貰い、このままではあわや衰弱死か？　という処で、主人公(仮)のアメリカ人少年と会話イベント発生。

皆からは不老不死である八仙の一員だと思われていたので、その妙薬であるエリクサーを飲めば快復すると思われていた彼。
しかし実際は、嘗て不老不死への近道である科挙を受けて不合格になり、そのまま人間であったという衝撃の事実が発覚します。
要するに、ただの酔拳マスターだったということで。

『神仙になって不老不死を得ても、何も感じず人を愛することなく生きて、それが何になる？
　ならば限りある命が尽きるまで、誰かを愛して生きたい』

というようなこと(うろ覚え)を言ってました。
ええ台詞や…しかしこれは死亡フラグ確定か…だってハリウッドだけど香港系映画だしさ…伝統的に呆気なく死んだりするしさ…しくしく。
とか思っている間に、少年は如意棒を持って五行山へ単騎突撃。
セラフの処にある、不老不死の妙薬・エリクサーを貰いに行く為です。
「趙雲じゃないんだから単騎駆けなんて無理だよお！」という観客の心の声が聞こえるようでした。主にわたしが言ってました。心で。

予想通り、セラフの手前に立ちはだかる魔女にメタクソやられる少年。
予想通り、其処へスパロー(セラフに復讐願望を持つ少女らしいよ)とリンチェイが登場。
大乱闘になりますが、各戦闘員らが劣勢に立たされつつ、ああこれで一巻のオシマイかなーという展開。

とか思ってたらラストの一番良い処で、寺院の修道僧らに担がれてジャッキー登場。しかも結構元気。
あっさりエリクサー入手。不老不死獲得。

あの良い台詞でやや感動してしまったわたしは、一体どうすればいいのかねチミ。
等と愕然としているうちにストーリーは終了。

はい。面白かったです。リーの正体とかが最後に判明して、「へー」って感じで。
主人公(仮)のジェイソンが、最終的にそこそこ功夫をマスターしたっぽい処とか。
ただ一番の謎は、スパローが今際の際の言葉以外、主語がヘンだった理由ですな。
「わたしは」という処を、なんでか「彼女は」とか言う訳ですよ。誰か教えて。

キャストとか功夫映画が好きなら良いかもよー。
無力な主人公がパーティーを組んで悪を倒すという、ちょっとしたRPGみたいな話です。

キャストの豪華っぷり：★★★★★
アクション満足度：★★★★★
ストーリー：★★★☆☆
酔拳万歳度：★★★★☆
リー・リンチェイ老化にビックリ度：★★★★★
総合：★★★★☆

おまけ情報：ドラゴン・キングダムという邦題の割に、ドラゴンは欠片も見あたらないので注意を要するぞ！