旧友
金曜日はお友達の御用に同道し、横浜へ。
終電にスライディング出来ず、生まれて初めて渋谷発の深夜バスに乗りました。
たっけーなオイ。涙もチョチョ切れるという話ですよ。
そんでも運んでくれてありがとう深夜バス。しくしく。
土曜日の夜から日曜日の昼まで、友達の家でダラダラしてました。
「ごはん作って〜喰わして〜」という、非常に駄目なお願いを快く叶えてくれた友人に感謝。
美味しい美味しいオムハヤシ作ってくれました。泣ける。美味しくて。
無双未体験だということで、三國2と戦国無双2体験会開催。
「うわ〜〜これ持ってたらやっちゃうわ〜〜〜」とのご感想で、満足です。
無双、絶賛布教中。コーエーさんはわたしに感謝してなんかくれるといい。PS3とか。マジで。
明け方撃沈し、ぐおーといびきオプションで睡眠。本当に申し訳ない…!!
性別変えちゃえよアハハ! めそめそ。
で、日曜の昼に家まで送ってもらい、化粧を落としてまたすぐ化粧して、間髪入れず新宿へ向かいました。
高校時代から唯一親交が続く友人が、2年ぶりに会いたいと連絡して来たので。
そもそも一週間前、仕事の相手とお茶している時に電話が鳴り。
「もしもし」
「もっしー。夜月ちゃんいつ暇?」
「『もっしー』じゃねェよ。挨拶無しか。お前ってヤツは…」
「今日は?」
「人の話を聴け!」
物騒な物言いに、目の前の人が全力で引いてました。大変申し訳なく。
んでまあ、日曜にということになったので。
待ち合わせ場所へ行ったワケです。
「よーひさしb」
「トイレ行きたい」
「行けば?」
電話でもリアルでも同じ会話…俺って…俺たちって…。
でも、話はそうお気楽なものでもなく。
彼女は8年くらい前に結婚し、現在は一児の母をやっている専業主婦です。
そもそも専業主婦をやっている意味が解らない程、独身時代はアクティブでポジティブな子でした。
可愛いしめちゃくちゃモテるし目立つしで、わたしからすると、なんで仲良くしてるのかよく解らないっていう。
でも大人になって連絡したいとか思うのは彼女くらい。
「夜月ちゃんは基本男じゃん? んでこっちも男じゃん? だから裏表なく嘘つかないし楽なんだよ」
「否定しないけどさ…言い切ったね男と」
彼女が結婚する前、おつき合いしていた今の旦那さんに会わされたことがあります。
友人諸氏から『彼氏チェッカー』として使われていた俺。
その時、「あの人はダメだ。好きならしょうがないけど、勧めない」とハッキリ言いました。
「ああ言われた。覚えてる。本当だった」
そして諸々語り出し。
身体を壊し、精神的な面でどうだとか、状況がこうだとか。
ひとしきり聞いた上で、彼女が「どうしよう」と言うので。
「……離婚しろ」
「来る前に絶対そう言われると思った。でも、夜月ちゃんて人に離婚しろとか別れろって絶対言わない人だから、逆に絶対言われないとも思った」
「どっちだよ」
「うん、半々だったの。でも基本的に言わない人だよね?」
「昔は言わなかったよ。人の自由だから。でも、最大限努力してもダメな時があるし、努力してない人には頑張れって言うけど、おまーみてーに既に限界超えてるヤツに頑張れとは言わない。逃げたっていいじゃん。逃げるのも、手放してやるのも愛ってんじゃないの? まーわたしは結婚したことないけどさ…」
「でも、別れた後でパパが死んじゃったりしたらって思うんだよ。何やるかわかんないし。結婚した以上は責任てもんがあるじゃん」
「じゃあ自分に対する責任は何処にある? 相手が仮に死んだって、自殺したって、それは大人が自分で選んだ道なんだから、責任は100%その人にある。相手の為にどうのこうのって言いながら、そんなにやせ細ってんじゃ本末転倒だろうが」
「そうか…そうかな」
「責任て何だよ。ただ怖いだけでしょ? 自分が悪いって言われるのが」
「傍目にはいい生活してて、殴られる訳でもないし、食べることが出来て家があるっていう中で離婚なんかしたら、絶対嫁が悪いって言われるよね」
「だったら何。それと天秤に掛けて、今の生活の方が大事だって言うなら、そんな風に身体壊したりしない。わたしは友達だと思ってるし、友達という目で見たら、何よりもあんたが楽で健康で幸せで居てくれた方がいい」
浮気をしたことがあったけど、一度で飽きたとかも言ってた。
『浮気』をしようと思うような相手だから飽きんだべーと言ったら納得していた。
うーん浮気かあとちょっと驚いたけどさ。
「じゃあどうしたらいいんだろ」
「生活が心配ならお金貯めなよ。週に一度でも二度でも、パートでも何でもいいから働きな」
「そうだよね。わたしが専業主婦やってるなんて信じらんないよ」
「そうそう。外に出たらいいんだよ」
「働きたいとか言うとさ、旦那が『そんなに子供の面倒見るのが嫌なのか』とか言うんだよね」
「そう言えば出ないのを知ってるからだろ」
「あ、そっか」
「計画立てて家を出な」
「そうだね。そうする。もうすぐ死ぬんだな自分とか思ってた」
「何故もっと早く連絡寄越さないんだよ馬鹿。こんなになる前に言えよ」
「だってさあ、こういう時だけ連絡して利用してるとか思われたくないじゃん」
「わたしがそんなこと思う訳ないだろ。わたしって何? お前な、友達って何だと思ってんの?」
「そっかぁ。今度はこっち来てよ。なんかご馳走するし…近所にダチョウ料理の店があって、そこ行こう。夜月ちゃんのことならうちの旦那も異常に信用してるから、絶対贅沢させてくれるよ」
「んじゃダチョウ食べに行くわ」
「そうそう、今のうちに沢山利用してよ。いずれ出来なくなるんだからさー。あはは」
「死ぬとか言ってる場合じゃないじゃん」
「そうだね。ダチョウ食べるまでは死ねない」
彼女がやっと笑ったので、少し安心した。
どんな生活してんだとか言って。
その生活が好きとか、そんでも旦那が好きとか言うならいいと思う。
でも、そうではないのだとしたら。
「大丈夫大丈夫。大丈夫だから」と別れ際に背中を何度か撫でて、またねと手を振りました。
下旬にはまた連絡しないとなー。流石に気になる。
「夜月ちゃんてずっと変わらない気がする。大成功して大金を手にしても、何ひとつ生活も自分も変えないと思う」
「だろうね。自分でもそう思うよ」